「パート10人で年間137万円の人件費増」——2025年10月発効の最低賃金は全国加重平均1,121円(前年比+66円・+6.3%、過去最大)。2026年秋については、中央最低賃金審議会が1,100円台後半を目安として検討中(7月末に目安公表予定)であり、早急な対策が必要です。業務改善助成金(最大600万円)・ものづくり補助金・賃上げ促進税制(最大35%控除)の3制度を組み合わせることで、コスト増の負担を軽減できる可能性があります。

コスト試算

パート人数(週30h)年間コスト増目安(時給+66円)推奨制度
10人約103〜137万円業務改善助成金
20人約206〜274万円業務改善+ものづくり
40人約412〜548万円3制度フル活用

3制度 比較早見表(採択率・申請期限つき)

制度名最大受給額助成率・控除率採択率申請開始
業務改善助成金一般450万・特例600万円事業場内最低賃金1,050円未満:4/5/1,050円以上:3/4要件確認型2026年9月1日〜
ものづくり補助金公募要領参照1/2〜2/337.5〜38.2%2026年度中(予定)
賃上げ促進税制法人税額に応じる最大35%控除要件確認型確定申告時

業務改善助成金

令和8年度の業務改善助成金は賃上げコースが50円・70円・90円の3区分に整理され、申請は例年より遅い9月1日から。助成率は事業場内最低賃金が1,050円未満の場合4/5、1,050円以上の場合3/4となります。詳細は厚生労働省「業務改善助成金」の公式ページをご確認ください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金の補助上限額は公募回ごとに設定されます。最新の公募要領・上限額は必ずものづくり補助金総合サイトでご確認ください。同一設備への重複利用は不可ですが、対象経費を分けて設計すれば業務改善助成金との併用が可能です。

賃上げ促進税制

全業種・黒字企業が対象で、確定申告時に最大35%の法人税額控除を受けられる可能性があります。上乗せ要件(教育訓練費増加等)の充足で控除率が段階的に拡大します。詳細は中小企業庁「中小企業向け賃上げ促進税制」をご参照ください。

業種別3ステップ確認リスト

STEP 1:事業形態を確認する

事業形態判定
パート・アルバイト中心▶ STEP 2へ進む
フルタイム中心(製造業など)✅ ものづくり補助金を検討 → STEP 3へ

STEP 2:パート人数・業種を確認する

業種・特徴推奨制度
飲食・小売・介護(労働集約型)✅ 業務改善助成金を優先 → STEP 3へ
その他の業種(パート中心)✅ 業務改善助成金を検討 → STEP 3へ

STEP 3:賃金水準・収益状況を確認する

状況追加で活用できる制度
直近事業年度が黒字✅ 賃上げ促進税制(最大35%控除)を確定申告時に活用
赤字または収益状況が不安定まず助成金・補助金の申請要件を各公式ページで確認

申請ミス防止チェックリスト(実務者必携)

業務改善助成金 申請上の注意

  • 交付決定前に設備発注しない(最多ミス・即対象外)
  • □ 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内か確認(超過は申請不可)
  • □ 雇用保険被保険者が在籍しているか(令和8年度から必須化)

ものづくり補助金 申請上の注意

  • □ 給与総額の年平均成長率3.5%以上・最賃+30円以上の計画を事前確認
  • □ 賃上げ要件未達は採択後でも補助金返還義務が発生

賃上げ促進税制 申請上の注意

  • □ 対象年度の給与総額増加率を確定申告前に試算する
  • □ 上乗せ要件(教育訓練費の増加など)充足で控除率が最大35%まで拡大