結論:IT導入・事業再構築など主要補助金は法人税・所得税の「課税対象」—消費税だけは不課税

補助金を受け取ると、法人税(法人)・所得税(個人事業主の事業所得)の課税対象となります。一方、消費税は対価性のない給付として不課税取引に区分されるため発生しません。「法人税・所得税=課税 / 消費税=不課税」——この2軸を最初に押さえましょう。事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金はいずれも法人税または所得税の申告が必要です。

【早見表】主要補助金の課税可否と圧縮記帳適用可否—申請前に使える判定表

補助金名法人税・所得税消費税圧縮記帳
IT導入補助金(2026年〜デジタル化・AI導入補助金)課税(益金算入)不課税固定資産取得時のみ適用可/コンサル費・研修費等:不適用
事業再構築補助金課税(益金算入)不課税固定資産取得時のみ適用可/経費補填分:不適用
ものづくり補助金課税(益金算入)不課税固定資産取得時のみ適用可/経費補填分:不適用
小規模事業者持続化補助金課税(事業所得)不課税固定資産型:適用可/経費補填型:不適用

2026年よりIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」へ移行しましたが、課税の取り扱いは変わりません。持続化補助金のインボイス枠では、免税事業者がインボイス登録課税事業者へ転換する場合に補助上限額が通常より+50万円上乗せされます。あなたに合う補助金をAIで診断する →

収益計上時期の落とし穴—「入金日」ではなく「交付決定日」が法的基準

補助金の収益計上は、お金が振り込まれた日ではなく「交付決定通知書の日付(交付決定日)が属する事業年度」が原則です(法人税基本通達2-1-42)。たとえば3月決算法人が2月に交付決定を受けた場合、3月末に「未収入金」として計上し、4月の入金時に消し込む仕訳が必要になります。なお、経費補填型(持続化補助金の一部等)は経費が発生した事業年度での計上が認められるケースもあり、固定資産取得型とは処理が異なります。決算期をまたぐ場合は特に注意しましょう。

圧縮記帳シミュレーション—補助金500万円で税負担はいくら変わるか

1,000万円の機械を補助金500万円で取得した場合、圧縮記帳を適用すると帳簿上の取得価額を500万円に圧縮できます。補助金収入500万円と圧縮損500万円が相殺され、当期の課税所得へのインパクトを大幅に抑制できます。ただし圧縮記帳は非課税ではなく「繰延」です。帳簿価額が下がる分、翌年以降の減価償却費が減り、その期間の税負担が増える構造である点を把握しておきましょう。適用には①国・地方公共団体等からの補助金であること、②固定資産の取得・改良に充当したこと、③事業年度末日までに返還不要が確定していること——この3要件すべてを満たす必要があります。

インボイス制度後の補助金と消費税—2026年現在の経過措置と実務注意点

補助金自体は引き続き消費税不課税ですが、補助金で購入した物品・サービスに係る仕入税額控除はインボイス登録の有無で変わります。2023年10月〜2026年9月の経過措置では、免税事業者からの仕入れに係る控除率は80%です。2026年10月〜2029年9月は50%に下がります(国税庁公表の経過措置スケジュールに基づく)。持続化補助金のインボイス枠を活用する場合は、免税から課税への転換タイミングと補助金申請スケジュールを連動させることが重要です。小規模事業者持続化補助金の申請条件と採択率を詳しく見る →

個人事業主と法人の申告フロー比較—確定申告・法人税申告書で何をどう書くか

法人は補助金収入を益金算入し、法人税申告書「別表四」に加算します。圧縮記帳を適用する場合は「別表十三(一)」(国庫補助金等の圧縮記帳)への記載も必要です。個人事業主は収支内訳書の「売上(収入)金額」欄に計上し、確定申告書第一表の事業所得欄に記入します。申告期限は法人が決算後2か月以内、個人事業主は翌年3月15日です。①圧縮記帳の適用、②複数年度にまたがる補助金、③消費税課税転換と同時申告——この3ケースは税理士への相談をおすすめします。補助金コンパスでは専門家への無料相談をご案内しています。無料会員登録でAI診断・補助金検索もご利用いただけます。